人権教育をすすめるための大切な事柄はすべて今までの同和教育のなかにある。10数編の魅力的な実践と解説はこれからの人権教育を豊かにする内実をもつものであり、戦後同和教育概史ともいえる。02年刊。
〈主な内容〉
はじめに
第1部 熱と光を放ちながら−同和教育の実践
第1期 原則が確立された時代──1950−60年代
●長欠・不就学克服に挑む中学生
水野さんを守ろう・川内俊彦
●教科書をただにした子どもたちと運動
教科書無償化の闘い・小野雅博
●小学生たちが取り組む越境問題
学級・学校集団の組織──布忍小学校教師集団の場合・蔵本穂積
●うち、字かけたんよ
あいうえお・うえだまさよ/一粒の涙・福田一平
●教育にとって「非行」とは何か
「非行」をのりこえて・中本順一
第2期 深まりと広がりの時期──1970-80年代
●教育内容の創造
小学校低学年における文字指導のあり方・仁田博史
●差別をしたたかに超える
版画になった『しぶとういかんと』──古老の聞き書きと子どもたち・『更池』編集委員会/文化祭の取り組みの中で──『しぶとういかんと』を版画にして・林セツ子・天野里子
●部落が校区にない学校で
校区に被差別部落がない学校での部落問題学習・新保真紀子
●障害者と生きる中学生の祭り
どっこいしょ祭り──「障害」者との共生をめざして・横山泰介・山際博
第3期 同和教育が人権教育をひらく時代──1990-2000年代
●性差別と同和教育
愛おしさと怒りをもって──教科「人権」を担当して・三浦広美
●人権総合学習をめざして
こんなに脳みそ使ったん、初めてや!──卒業論文作成の実践・星野勇吾
●自らをくぐらせつつ世界へ
国際理解教育と人権教育の接点を求めて──日本のマイノリティーが問いかけるもの」 国際交流地域実行委員会
第2部 同和教育実践が人権教育をひらく
1.同和教育実践が刻んできた歴史と財産
第1期・原則が確立された時代──1950−60年代
第2期・深まりと広がりの時代──1970−80年代
第3期・同和教育実践が人権教育をひらく時代──1990から現在
2.同和教育が大切にしてきたもの
@差別と全般的不利益の悪循環−差別のとらえ方
A「見え詰める−語りあう−つながる」というサイクル−基本モデル
B内的葛藤をたいせつにしつつ共感や冒険心を育む−同和教育の三類型
3.21世紀をひらく教育観の構図
新自由主義の教育観 「民主」教育の教育観 同和教育の教育観 人権教育の教育観
4.同和教育実践がひらく人権教育の構想
5.熱と光にみちびかれて