被差別部落民とは「最下層に位置づけられ差別された」と、常に受動的に語られるべき存在なのだろうか……。
運動と研究の日々のなかで抱いてきた、差別感に満ちた部落像への疑問。部落史の見直しが進むなかで、東日本部落解放研究所事務局長が、東日本の史料を集大成し平易に読み解く、もっとも誠実に部落の実像に迫った書。
01年刊。
〈主な内容〉
はじめに
第一部 部落の歴史像―東日本を中心に
第一章 東国の長吏とその起源
1 東京の部落の起源はどこまでさかのぼれるか
2 戦国時代、東国の長吏
3 長吏とは?
4 「穢多」呼称とその制度化
5 鎌倉の長吏と鶴岡八幡宮
補節 近畿の部落の中世起源をめぐって
第二章 部落の生業―社会的分業の一翼で
1 皮革業の歴史と意味
2 牛馬解体と皮作りの歩み
3 牢番・見回り、草履―皮革業以外の専業と役
4 農業・農村と長吏
5 「発見」された仕事
6 長吏の仕事と差別の歴史
第三章 社会における部落の位置―村・町、長吏集団、身分制度
1 長吏集団と村=百姓、町=町人の地縁共同体
2 地方・本村と長吏頭から「二重支配」
3 「武士―百姓・町人/『賤民』」
第四章 弾左衛門体制―幕領・藩領等を貫く頭支配と仲間組織
1 長吏・ 弾左衛門と新町役所
2 支配の形成と弾左衛門の系譜・縁組
3 支配の機構、抵抗の拠り所
第五章 部落差別の起源と歴史的性格
1 秀吉の身分政策をめぐって
2 多様な「賤民」・被差別民と身分制度
3 旦那場・勧進場―被差別民の世界
4 「賤民」・被差別民に対する幕府の統制
5 幕府の「賤民」統制
6 中世から近世への構造的変化
終 章 歴史主体としての長吏
1 「落伍者」視、貧困と差別
2 社会的力量の蓄積と差別―部落の主体性
3 武州鼻緒騒動
4 「解放令」を準備した長吏たちの闘い
第二部
はじめに
1 近世政治起源節の論点とその検討
2 近世の身分を規定するものとその理論的把握
おわりに
あとがき