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『近代の奈落』表紙画像

 


近代の奈落

宮崎学著 定価2000円
四六判上製 475頁 
ISBN 4-7592-4113-2

被差別部落からみたとき、日本の近代はどう見えてくるか。
「生きる」とは、「団結」とは、どういうことなのか?
壮絶なドラマをたどる旅の果てに「突破者」がつきあたった事実―― 。


  
―被差別部落の問題を考えることは
日本の近代を考えることだ。
―部落解放運動を考えることは
日本の社会運動を考えることだ。
全国の部落の偉大な「おや様」松本治一郎、
美と理念の使徒・西光万吉、
若き前衛・高橋貞樹、
反逆者・平野小劔……
それぞれが直面した人生問題としての部落問題とは? 
福岡・奈良・京都・大阪・和歌山・長野・東京
各地の部落をたどる旅の果てに
突破者がつきあたった事実。
日本近代を被差別部落の側からとらえた超巨編!!

   02年刊。

〈主な内容〉
◆第一章 川筋のボタ山に立つ〜筑豊の部落解放運動と羽音豊
 「ボタ山あるところ部落あり」――田川の暴れん坊から解放運動家になった川筋者(かわすじもん)。ボス支配の筑豊に波乱を巻き起こし、大資本や権力に恐れられた男。“命をかけた闘い”と気楽にいうが、そんな生易しいもんやない……。
◆第二章 突破者から見た解放の父〜もう一つの松本治一郎伝
 山野を疾駆する大陸浪人をめざし、大連に渡った十九歳。やがて、全国の部落の偉大な「おやじ」「おや様」となった松本治一郎が、ある時、羽音にふと漏らした「やっぱりやるべきだった」という言葉の意味……。
◆第三章 曙光をもたらした青年たち〜柏原三青年と全国水平社
 阪本清一郎・西光万吉・駒井喜作。青春まっただなかにあった若者が、古代が沈殿した大和の部落から世界に挑戦していった。青年たちの船出は、激化する戦争の中でどのような変転をとげていったのか……。
◆第四章 水平社精神を継ぐもの〜戦後奈良の部落解放運動と川口正志
 同対審答申・特別措置法をきっかけに幕開けたイケイケ、ドンドンの時代。「それは部落に遅れてやってきた高度成長だった…」と川口はいう。柏原三青年のロマンから戦後、水平社世代の嫡子≠ェその精神をどう受け継ぐのか……。
◆ 第五章 渦巻く大都市部落〜京都部落解放運動の光と影
 戦前、「新撰組」から真っ赤っかの共産党まで揺れ動いた朝田善之助の若き日。戦後、カリスマ朝田を寄り切った反朝田七人衆――。そして今、バブル崩壊後の大都市部落はどうなっているのか、これからどうなるのか……。
◆第六章 歴史に呼び出された男たち〜松田喜一、泉野利喜蔵、栗須七郎、そして大阪の水平運動
 私を捨てるか、運動を捨てるか――娘から迫られた松田は答えた。「しゃあない、お前を捨てよう」…お前、そんな酷なこと言わんといてぇな。そやかて、運動て、生きることそのものなんやからなぁ……。
◆第七章 大逆事件から水平社まで〜明治・大正期 和歌山の被差別部落
 大逆事件でっちあげを指揮官した、エリート司法官僚・平沼騏一郎(きいちろう)。異界熊野に、被差別部落に息づく生のエネルギーを、「反社会的病菌」とみた男。のちにそいつは、水平社潰しの中心人物として出張ってくる……。
◆第八章 眼醒めたものは悲しくなかった〜『破戒』と長野県の水平運動
 「隠せ!」という父の戒めを破って告白、土下座して謝罪する丑松。『破戒』ははたして差別小説か? それともヒューマニズムからの社会抗議か? 藤村が丑松に託して描こうしたものは、実は、そのどちらでもなかった……。
◆「第九章 水平線上の赤と黒〜アナ・ボル対立と平野小劔・高橋貞樹
 「呪はれるものは呪ひ返せ」――黒い呪詛を胸にした反逆者と、赤い客気を抱いた若き前衛の対立は、全面対決へとエスカレートしていく。だが、アナ・ボル対立の深層とは、人生問題としての部落問題に対する戦い方の違いだったのではないか……。
◆序章としての終章
 被差別部落で展開されてきた運動のドラマを追跡する旅。自分なら、そのときどうしたか、またいまどうするか。近代の奈落を歩く仕事を終えたいま、私は序章を書き始める……。
◆あとがき

宮崎学近影 【著者略歴】 宮崎学(みやざき・まなぶ)  作家。 1945年京都生まれ。
 早稲田大学法学部中退。 高校時代に共産党に入党し、早大時代は学生運動に邁進。その後、週刊誌記者、家業の土建・解体業を経て、戦後史の陰を駆け抜けてきた半生を綴った著書『突破者』がベストセ ラーに。ほかに『突破者それから』『突破者の条件』『不逞者』『血族』『神に祈らず』『海賊』など話題作品多数。近著に『鉄(くろがね)』『叛乱者グラフィティ』。
  1999年より月刊『部落解放』誌上で「近代の奈落を歩く」の連載開始。福岡・奈良・京都・大阪・和歌山・長野など各地の被差別部落を訪ね、大正時代から戦後に至る日本近代化の歴史を背景に被差別部落で展開されてきたドラマ―人びとの闘い、生き方、人物像をほりお こしながら、日本近代と社会運動を再検討する試みをおこなう。

  ※宮崎学ホームページ
 http://www.zorro-me.com/miyazaki/

 


 

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