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韓国のダイナミズム
〈『部落解放』2005年2月号〉
十二月は、宮崎で、国際自由労連の大会があり、世界中の労働組合の指導者の人たちと話をすることができた。社会主義インターナショナルの事務局長も来ていて、東京でゆっくり話をすることができた。二〇〇五年、社会主義インターのアジア会議は、モンゴルで開かれる。モンゴルは、国連で非核国家宣言をしている。東北アジアにおいてどう非核を進めるかが課題であり、平和の問題、非核の問題でどうネットワークを組んでいくかという話になった。
そして、先日、韓国を訪れた。
ヨン様に会いに行ったのではなく、政治家の人たちに会いに行ったのである。
韓国国会の議長や与党ウリ党の議長や議員、野党である民主党議員などの国会議員と交流し、平和の問題、死刑廃止や男女平等、政治への女性の進出、人権問題について意見交換をした。
二〇〇五年は、戦争が終わって六十年、ヒロシマ・ナガサキ・オキナワから六十年である。もっといえば、日韓条約から四十年、日韓併合から百年である。そんななか、日本にとって二〇〇五年は、平和の年、憲法の年である。多くの人たちと平和のダイナミズムをつくり、憲法九条を変えさせないうねりをつくっていきたいものである。
久しぶりに訪れた韓国は、ずいぶん変わっていた。振り子のように大きく揺れるともいわれているし、課題は山積している。しかし、私は、政治のダイナミズムが起きていること、政治を通して社会を変えることができると多くの人たち、とくに若い人たちが思っていることが、日本の社会との大きな差であると感じた。
日本ではなかなか人権侵害救済法が成立しない。韓国では一度、法務部(日本でいえば法務省)を担当とする人権救済法案が上程されたが、「これではダメだ」ということで、NGOの人たちや国会議員ががんばって出し直しをさせ、独立した人権救済機関をつくらせた。予告なく警察や刑務所に立ち入り調査ができ、公権力による人権侵害を取り上げる比重も高い。
死刑廃止法案も上程されている。今の臨時国会は、国家保安法を廃止するかどうかを含めて与野党が激突している法案が多く、成立する可能性は低いということであったが、死刑廃止法案に賛成する議員の数は、増えつづけている。
ドメスティック・バイオレンス防止法とその改正法が日本で成立したが、日本で法案を作るときに韓国や台湾の家庭内暴力防止法も参考にした。立法の点で日本は、アジアのなかでも後れをとっているのではないか。
また、韓国は、男女平等や女性の政治への進出も進みはじめている。政治進出では、国会議員総数二百九十九人中、女性は三十九人である。
これは、一種のクオータ制の導入というか促進により実現したものである。
韓国の選挙制度は、小選挙区制と比例選挙制である(一院制)。比例選挙について、与党のウリ党は、第一順位を女性、第二順位を男性、第三順位を女性、第四順位を男性……としたのである。女性の候補者を五〇%以上にすると、政治資金法上、援助が得られるからである。すると野党であるハンナラ党も、女・男・女・男……としたため、女性たちが比例区で当選してきた。これなどは、日本においても参考になるのではないか。
平和についても、ウリ党のキム・ヒソン女性議員に「二〇〇五年に、モンゴルと韓国と日本などが平和のための非核構想委員会準備会をまず開いて、つめていきましょう。どうですか」と具体的な提案をもらった。彼女は、軍事独裁政権のころ、三年間地下にもぐり、集会には変装して出席していた。丸坊主になり、カツラをかぶり、あるときは傷痍軍人の姿になって、眼をあざむいて会場を出ていたそうである。
ウリ党の男性議員にも会ったが、彼は、「与党でもイラク派兵に反対であり、本会議場で私が反対討論を行う」と胸を張っていた。国会閉会中に密室の閣議決定で決める日本と、本会議場で承認を得る韓国との差よ。
ともあれ、日本の内外でもっとダイナミズムをつくっていくことを、いろんな人とやっていこうと決意している。いい年にしましょう!
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