福島みずほの人権いろいろ


月刊誌『部落解放』好評連載中コラムを福島みずほさんのご了解を得て、転載いたします。

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脱原発をめざす女たちの会
〈『部落解放』2012年1月号〉

 

 スリーマイル島やチェルノブイリの事故、JCOの事故のあと、日本でも大きな反原発の動きがあった。また、日本の各地で、宮崎の日向、三重の芦浜、新潟の巻、石川の珠洲、山口の上関をはじめ立地に反対し、建設中止に追い込んだり、いままで原発を建設させなかった長年の闘いがある。新潟県刈羽村は、住民投票でプルサーマルを拒否した。田んぼの中で「プルサーマル反対」の演説をしていると、田んぼの中からポツリ、ポツリと女性たちが立ち上がり、あるいは集まってきてくれて、話を聞いてくれたっけ。いままで、各地で、地べたをはう、三〇年、四〇年という闘いがあり、成果を出し、問題提起もしてきたが、「国策」である原子力推進を変えることは、残念ながらできなかった。そのなかで起きたのが、福島第一原発事故である。今度こそ、今年こそ、脱原発を実現しなければならない。
 鎌田慧さんをはじめ九人の呼びかけ人の人が、「さようなら原発六万人集会」を企画し、一〇〇〇万人署名を集めようとしている。このことに全面的に協力し、一緒に行動している。そして、いま私自身は、脱原発全国行脚をし、各県に行き、知事をはじめ首長や発電所に申し入れをしたり、集会に参加したりしている。各地で、原発を再稼働させない、新増設をさせないために、人々と力を合わせようとしている。
 そして、一一月二三日、脱原発をめざす女たちの会のキックオフ集会を行った。呼びかけ人は、吉武輝子さん、小山内美江子さん、山崎朋子さん、田中優子さん、香山リカさん、渡辺えりさん、浜矩子さん、雨宮処凛さん、中山千夏さん、神田香織さんなど八二人。文化人の人たち、いままで活動をしてきたNGOの人たち、そして、現地で長年がんばってきた女性たちである。祝島婦人会会長の中村隆子さんなども呼びかけ人にはいっていただいた。そして、賛同人に、吉永小百合さん、竹下景子さん、杉田かおるさん、落合恵子さん、米沢富美子さん、クミコさんをはじめ現在、六〇〇人の人たちになってもらった。これから賛同人をどんどん増やしていきたい。
 さて、当日は、一四歳で、脱原発を主張している藤波心さんがみずみずしい言葉で開会宣言。加藤登紀子さんが、二曲を熱唱し、熱く語ってくれる。制服向上委員会が「ダッ! ダッ! 脱原発の歌」を元気に踊り、歌う。
 そして、約四〇人の女性たちがスピーチ。  まず、現地からは、青森県で「あさこはうすの会」をやり、大間原発に反対している小笠原厚子さんから。厚子さんのおかあさん、あさこさんは、残った土地で一人で反対をしていたが死亡。遺志を継いで厚子さんは、反対運動をしている。厚子さんは、涙を流しながら語った。三六年間、福井県で高速増殖炉もんじゅ反対運動をしている小木曽美和子さんが「三六年間、闘ってきました」と言うと、会場から大きな拍手。青森、福井、大阪、福島、浜岡、山口、佐賀などからそれぞれの現地の闘いの報告と決意。全国各地で、ときに孤立しながら闘ってきた、そしていま闘っている人たちをみんなで応援したいと心から思う。原発を造らず、動かさず、どう廃炉にし、また、被曝の問題に取り組むか。
 岩崎加根子さんは、詩を朗読し、新谷のり子さん、吉岡しげ美さんは、歌を歌ってくれる。神田香織さんは、「チェルノブイリの祈り」の講談をしてくれる。多彩で、職業も活動も表現もそれぞれ違う女性たちが、それぞれ語る。最後は、制服向上委員会出身でシンガー・ソングライターの橋本美香さんが「女たちの脱原発宣言」を読んでくれ、吉武輝子さんが、元気に閉会のあいさつ。
 ドイツで脱原発が成功したのは、女性たちが役所の放射線量の発表を信用せず、チェルノブイリの事故のあと、自分たちで計り、マップを作っていったからというのを読んだことがある。それだけではないだろう。しかし、経済、銭、金、効率という言葉にだまされず「命が大事」とがんばってきた人たち、とりわけ女性たちの力は大きい。日本でも男性たちとの連携はもちろんのこと、しぶとくしなやかで絶対にあきらめず、ひるまない広く広がる女性たちの運動をつくっていきたい。




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