福島みずほの人権いろいろ


月刊誌『部落解放』好評連載中コラムを福島みずほさんのご了解を得て、転載いたします。

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これから、何をすべきか
〈『部落解放』2015年11月号〉

 

 労働者派遣法改悪法案と戦争法案の質問にあけくれ、廃案をめざしてがんばってきたので、それぞれ「強行採決」され、ほんとうに悔しいです。戦後初めて、政府が、日本の若者に対して「他国で人を殺せ」と言うことが起きるわけです。憲法前文が言う、まさに「政府の行為によって戦争の惨禍が」起きることが可能になります。そんな戦後七〇年の大転換をこんな強行でやっていいのか。怒りはおさまりません。
 安保法制特別委員会で、委員長の不信任案に対して、賛成討論を四〇分間やりました。委員長の不信任案が否決された直後、委員長が席に座り、あっという間の「強行」でした。委員でもない与党議員が、瞬時に委員長を取り囲み、組体操のように覆い、「人間かまくら」をつくりました。委員長の声は、まったく聞こえません。質問権も、討論権も、表決権も奪われました。地方公聴会の報告もなされていません。地方公聴会の報告なくして、採決がなされたのは、初めてのことです。平和と立憲主義と民主主義を踏みにじる法案が、民主主義を踏みにじって、強行されたのです。
 戦争法は、戦後初めて集団的自衛権の行使を可能にし、自分の国が攻められていないにもかかわらず、他国の領域で武力行使をすることを可能にしています。また、いわゆる後方支援も深刻です。戦場の隣で、いままでできなかった弾薬を提供し、発進する戦闘機に給油をしたり、整備をしたりできます。いままで、戦争と一体となるので憲法との関係でできないとされていたことも、可能にしました。いままでできなかった駆けつけ警護も可能となります。駆けつけたあと、まさに戦争になる危険性があります。
 イラク戦争についてオランダは検証し、国際法違反と断じました。ブッシュ大統領も間違いだったと認め、イギリスも問題だったとしました。しかし、日本は、検証しないどころか、安倍総理に質問したところ、イラク戦争の評価は当時と変わらないという答弁。大量破壊兵器はなかったにもかかわらず、です。委員会で写真を見せて質問しましたが、対テロ戦争というのは市民への殺戮です。イラクでは、だれがテロリストかわからないというなかで、市民への大量殺戮が行われました。これからどれだけ日本が間違った戦争(正しい戦争などありませんが)をしていくのかと思うと、いても立ってもいられません。戦争法は、戦争下請法です。アメリカの費用の肩代わり、人員の肩代わり、リスクの肩代わりです。
 戦争法案を成立させないために、実に多くの人が声を上げ、動きました。シールズ、ミドルズ、オールズ、ママたちの会、学者、裁判官、弁護士、研究者、文化人、大学生、高校生、実にたくさんの人たちが声を上げました。シールズの人たちの「民主主義ってなんだ」「これだ」というコールに励まされました。そのとおりです。国会のなかだけに民主主義があるのではなく、民主主義は、一人ひとりの手のなかにある、言葉のなかに、行動のなかにある、一人ひとりの会話のなかにあるということを実感し、共有しました。力にしていきます。ママたちの「だれの子どももころさせない」というスローガンをさらに広げていきたいと思います。
 これから、何をすべきか。
 戦争法の成立は無効であり、また、中身も違憲無効だと言っていくこと、戦争法廃止法案を提出し、成立させるよう力を合わせること、戦争法が作動しないようにチェックし、止めること、武器輸出を止める世論をつくり、国会でも議論すること、防衛予算をチェックすること、明文改憲をさせないことなどをやっていきましょう。
 政府は、来年春に南スーダンPKOで駆けつけ警護をしようとしています。駆けつけ警護をさせないこと、戦死者を絶対に出さないこと、海外派兵をさせないことが実に必要です。いったん戦死者が出れば、この死を無駄にしてはいけないと、どんどん海外派兵していくのではと危惧しています。
 また、総理は来年七月、参議院選挙が終わったら明文改憲をすると言っています。明文改憲をさせないために、参議院選挙も戦い抜きたいと思っています。一緒に力を合わせていきましょう。




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