福島みずほの人権いろいろ


月刊誌『部落解放』好評連載中コラムを福島みずほさんのご了解を得て、転載いたします。

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高江のオスプレイパッド
〈『部落解放』2016年10月号〉

 

 七月二六日と二七日、八月五日から八日まで、沖縄の高江のテントにいた。いまも毎日、連絡が入る。また、インターネットなどで、高江の状況を見て、怒り、心を痛めている。強制的に市民を排除する、けが人がでる、七二歳の女性がけがをして、緊急搬送された。文子おばあまで、けがをさせられた。文子おばあは、沖縄戦のなか、血も混ざった泥水まですすって生き延びた人である。「戦争ダメだ、平和だ」と車椅子に座り、現地で座り込みをしている。おばあにまで手を出すなと思う。メディアの人間も新聞記者も排除される。逮捕者がでる。すさまじい毎日である。ここは、日本なのか。問答無用である。
 N1ゲート前のテントは撤去されたが、N1ゲート裏には、テントがある。このテントについて、八月二五日、沖縄防衛局が、テントを撤去するよう新たな貼り紙をしていった。現場は二六日以降、防衛局がテントを撤去しにくるのではないかと非常に緊迫している。
 先日も市民と一緒に、防衛省、環境省、警察庁とこの高江の問題について行政交渉をし、また、三上智恵監督のドキュメンタリー映画「標的の村」の上映会をした。一人でも多くの人に知ってもらいたいという思いからである。
 前号にも書いたが、参議院選挙の投開票日の次の日、七月一一日の朝六時半から沖縄・高江のオスプレイパッドの建設工事が再開された。現在、二基できていて、あと四基造る計画である。自然豊かで、ヤンバルクイナをはじめとした希少動物が住むヤンバルの森、人々が住む村の上を現在、至近距離で、しかも夜一〇時過ぎにオスプレイが飛んでいる。この振動と爆音に夜眠れないと引っ越してしまった家族もいる。人々の生活や自然を破壊している。とりわけ七月二二日、防衛省がN1ゲート前のテントを破壊し、撤去してしまったことは暴挙である。県道上のテントを勝手に撤去する権限は、防衛省にはない。このことについて質問主意書を提出して聞いたが、納得のいく回答はない。
 ここまで法律や手続きが無視されていいのか。まったくの無法である。  ここまでの無法を許したら、底なしになってしまう。実質的な戒厳令だ。  高江の近くに辺野古がある。珊瑚の海を潰して、巨大な滑走路を造り、軍港も造り、恒久的な新基地を造る予定である。このことに沖縄県民は、翁長知事などは大反対している。そのとおり。
 辺野古と高江と伊江島のトライアングルで、海と空と陸の、米軍と自衛隊の共同訓練の場所が造られようとしている。
 沖縄の波照間島、石垣島、宮古島、鹿児島県の奄美大島に自衛隊が配備されたり、配備計画が発表された。どんどん進んでいる。  辺野古や高江の現地で命を削るようにして闘っている山城博治さんは、「七一年前の地獄を繰り返さないために」と言った。沖縄で戦争の訓練をし、沖縄から戦場に飛び立ち、沖縄が標的になり、沖縄が戦場になるというのを何としても避けたいのだ。
 ここには、日本国憲法が規定する平和的生存権はない。
 そして、わたしたちがこんなことを許容していると、近い将来、こんな無法や問答無用が日本全国で起きていくのではないか。
 八月一二日、愛媛県に行った。伊方原発再稼働の日に、伊方原発のゲート前で反対を言うためである。伊方原発にも近畿などから機動隊がきていた。「国策」に反対する住民のところには、全国から機動隊がくるのか。
 安倍内閣は、今年中にも高レベル放射性廃棄物の最終処分場を決めるのではないかという危惧が広がっている。安倍内閣は、問答無用に決め、反対する住民にはすさまじい弾圧をしていくのではないか。
 高江には、全国からも応援の人が駆けつけている。
 未来はわたしたちが決める。法律も民主主義も無視する政治はごめんだ。一緒に闘い、何としても止めていきたい。




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